集中力は誰でも身につける事ができる

「うちの子は集中力がなくって~」という親の悩み!
あるある、ですよね。我が家もそうです。

というか、そもそも私自身もそうだから、
子どもに「集中しなさい!」って言ったって、
子どもが聞くわけ無いですよね(笑)

でも、脳を効率的に働かせる事ができれば、
「集中力」も「記憶力」も無限に上げる事ができる
という事が、最新の脳科学でつぎつぎと証明されています。

まずは「集中力」を上げる事から始めていきましょう。

集中力は才能ではなく、スキルである!

私たちは「集中力がある子」って、なにか特別で「持って生まれた才能」と思いがちです。

それに比べて「なんとわが子の集中力がの無さ」ガッカリするを通り越して、怒りさえ感じてしまいます。

その結果
「ゲームばっかりやってないで、勉強しなさい!」
「宿題はやったの?」
「テスト大丈夫なの?」
「少しは〇〇くん見習って、集中して勉強しなさい!」
と、ついつい小言を言ってしまいます。

とうぜん、それを言われた子どもとしては
「うっせーんだよ!」「わかってるよ!」
と反抗したくなるのも無理はありません。

子どもは子どもで、色々と悩んでいるのですから。

こんな事で、いくら焦ったって子どもの成績は上がらないし、
親子関係は悪くなるし、良いことなんてありません。

でも安心してください。

「集中力は訓練することによって、誰でも身につけることが出来るスキルである!」
という事実が最新の脳科学で証明されたのです。

集中力のメカニズム

実は「集中力」とは、訓練で付けるものなんです。
持って生まれた才能なんかではありません。

もちろん少しはDNAも関係しているのでしょうが、
アインシュタインのような特別な天才で無い限り、
集中力は遺伝などではなくスキルで身につける事ができるのが分かっています。

つまり、誰でも訓練しだいで「集中力」を上げる事が可能です。これは朗報ですね。

少し難しい話をすると、

人が集中力を発揮するときには、脳の前頭葉という部分を使います。
その前頭葉を使い続けると当然、脳のエネルギーをどんどんと消費していき、疲れてしまいます。

例えばここで、集中力の使い方を知っている子どもを「秀才くん」
使い方を知らない子どもを「凡人くん」と定義しましょう。

秀才くんは集中する際に、もちろん前頭葉を使いますが、その集中力の使い方を習慣化・自動化しているために、前頭葉だけでなく小脳も同時に使います。

習慣化・自動化で前頭葉の疲労を最小限に抑えて、疲れを少なくする。
だから、集中力が長続きするわけです。

それに比べて凡人くんは、集中力を前頭葉だけ使って勉強しているので、脳の効率が悪く、エネルギー消耗が早いのです。
だから疲れを感じやすく、集中が早く途切れてしまいます。
しかも勉強を習慣化・自動化していないので、小脳で足りない分を補わなければならない為、
脳エネルギーを余計に使い疲れが増大するのです。(脳エネルギーの原料は「ブドウ糖」です)

この違いが、同じ時間集中して勉強しているにもかかわらず、
勉強に大きな差が生まれてしまう理由です。

ならば、秀才くんの「勉強を習慣化・自動化する」ことを真似てしまいましょう。

そうすれば、今まで前頭葉と小脳を同時に動かしていたのを、秀才くんと同じように「前頭葉だけに絞る」ことが出来、脳エネルギーの消費を最小限に抑えられ、その結果として集中力を持続させる事が可能になります。(次回の記事で、詳しく説明しています)

勉強できるクラスの秀才くんは特別ではなかった!

つまり秀才くんは同じ勉強を、同じ時間していても、集中力の効率が凡人くんに比べて格段に高いために、疲れにくく長続きするのです。
その結果、成績が伸びやすく「秀才」と呼ばれるわけです。

つまり秀才くんと同じことをして、凡人くんも「秀才くん」に変身するのです。
それでは、どうすれば秀才くんの集中の技術を手に入れる事ができるか、解説していきます。

集中力を自分のものにする【3つのルール】

ほとんどの子どもは、頑張っているのに思うような結果がでなくて悩んでいます。

その原因は「集中する方法が間違っている」からです。

それでは秀才くんがやっている、集中力を自分でコントロールする方法とは、一体どんなものでしょうか?

それは次の3つです。

ルール1:「脳エネルギー」は効率的に使おう

人は何か決断、集中する際に、脳の前頭葉という部分を使います。すると当然、脳はエネルギーを消費します。

肉体を使った労働を続けると、筋肉に疲れが溜まってきて、筋肉疲労で動けなくなります。
実は脳も同じように、考えたり、決断したり、集中したりすると、脳エネルギーを消費して動かなくなります。

「集中できない」という凡人くんは、今からやる国語の事、数学の事、来週のテストの事、部活の事など、いろいろな事に気を使い過ぎてしまうため脳エネルギールギーを無駄に大量消費しています。

脳エネルギーを使い果たして行けば当然、エネルギー不足になります。この状態では勉強に集中できません。

さらに、いろいろな事に気が散ってしまい、結局一つの科目を終わらせるのに(秀才くんに比べて)余計に時間を掛けてしまい、ますますエネルギー不足してしまうのです。

エネルギーを無駄に消費するために脳が動かなくなり、さらに「あれも、これも」と勉強効率も悪いわけです。つまり無駄に脳を使っているので損をしているのです。

 

これに対し秀才くんはというと、今やるべき事、例えば予め計画しておいた国語を集中して終わらせます。

小休憩をはさんで、次は数学に一点集中して、これも予定通り終わらせます。
他の事は考えないから、脳エネルギーを節約して「集中する事」にまわしていけるのです。

しかも、1つの科目に集中して、1つづつ効率的に終わらせて行くので、勉強に無駄がありません。

短時間の勉強でも、好成績を取れる理由です。

集中できる子どもと、出来ない子どもの差はここの違いです。(大人も小人も)

人の脳は決断や計画など「考える」という行為で、脳エネルギールギーを消費します。
秀才くんは、他の事をいろいろ考えずに、予め決定した科目を1つづつやるから、脳エネルギーを節約できる。だから集中が続くのです。

凡人くんは、あれもこれも複数のことを考えてしまい、集中する前に脳が余計なことでエネルギーを消費しすぎ、「いざ勉強」という時にエネルギー不足に陥ってしまいます。

1つに集中できないので効率も悪くなり、すべてが中途半端になり、計画を終わらせる前に脳エネルギー不足してしまっている訳です。

コツ「一度計画をたてたら、他のことは考えずに、1つづつ終わらせていく」という事。
これが集中学習のコツです。これが「学習の習慣化・自動化」です。

習慣化・自動化することで脳エネルギーの消費をおさえて、1つづつ効率的に、集中的に終わらせることが出来るようになります。
ですから、今から子どもと一緒に、毎日の勉強スケジュールを立てることから始めてください。

そして、そのスケジュール通りに行動して、他のことは休憩時間を使うように「習慣化」することで、毎日の勉強が「自動化」し効率的になります。
これがコツ!

ルール2:長時間集中してはいけない

「えっ?長い時間「集中」してはいけないって?!」と思ってしまいますが、本当です。

人間の集中できる時間は、実は15分という研究結果が出ています。

だから「みんな予定が終わるまで休まないで頑張りなさい!」なんていうのは、じつは非科学的なのです。

と言っても、15分毎に休憩をするのも???なので、我が家では子どもに

「25分やったら5分休憩を取る」というインターバルを取っています。この方法、実は社会人にも通用します。

 

うちではダブルタイマーというのを使って、25分と5分のインターバルをしています。ちなみにコレ、Amazonで売っています。

さて、区切らないで一気にやり終えてしまった方が?と思う方もいるかもしれませんが、実際に私も子どももやってみた結果、逆にメリハリがついて、1つづつ片付けるのにとても効果的でした。ぜひ、採用してみてください。生産性が間違いなく上がります。

ルール3:脳は疲れる事は無い!

大人でも小人でも、仕事や勉強を続けていると「あ~疲れて集中できないよ」と感じたことはありませんか?

でも実はコレ、あなたの勘違いなのです。

実際、脳科学で「人の脳は肉体のように疲れる事は無い」と証明されています。

「えっ?!でも本当に疲れるよ」とお思いでしょう。

脳は「ブドウ糖」を栄養素として活動するため、ブドウ糖が途切れればもちろん脳の動きは低下します。

これを人は「脳が疲れた」と判断するのですが、「肉体疲労」のような「脳疲労」は存在しません。

「じゃぁ、この疲労感は何なの?」

その答えは、防衛本能です!

その昔(原始時代のころの話ですが)、哺乳類としての人間は狩猟でマンモスなどの野獣と戦っていました(たぶん)。

その際に体を「本当の限界」まで使用してしまうと、次の瞬間いきなり動けなくなり、自然界では死を意味します。その時に外的に襲われてしまっては、助かりようがありません。

ですから、哺乳類である人間の脳は、本当に体が動けなる手前で「疲れた」と感じさせ、逃げる余力を残させようとします。

さて現代に戻って考えると、

勉強でイスに座り続けていれば血流が悪くなり、その結果として当然、体調も悪化します。

すると脳の防衛本能で血流を戻し、体調を整えようとするために「疲れた」と錯覚させ、その集中を解いて「命の危険」を取り除こうとします。

つまり、実際にはまだ大丈夫なのに、脳が防衛本能で「疲れたから、休もうよ」と、私たちに錯覚をうながすのです。

その時点で集中力が途切れます。

もし本当にマンモスやライオンと戦っているのならば、脳の指示に従うべきですが、勉強では脳に反抗しても命に別状はありません。だから自信を持って、脳に逆らいましょう!

集中力が高い秀才くんは、この脳の防衛本能の「疲れた」という錯覚を解く方法を知っています(知識があるかは分かりませんが、本能で知っています)。

それは「脳は疲れないんだという事実」を脳に言い聞かせる、一種の自己暗示をかける方法です。これを脳科学では「プライミング効果」と言います。

「実際に体が疲れたのに、脳をダマして問題ないの?」という疑問が湧きますね。

でも大丈夫。

体が疲れたと言っても、イスに長時間座っているために血流が悪くなって脳が疲れたと感じさせているのです。

だからこそ、5分ほどの休憩を取って、トイレに行くなど体を動かして血流を戻せば良いのです。

ルール2では長時間集中しない、休憩を取る。という事をお話しましたね。25分の集中学習と5分間の休憩のインターバルで、脳の疲れは最小限に抑えられます。5分休憩でリフレッシュさせましょう。

最後にルール3のまとめです。

勉強で脳が疲れる事はありえません。プライミング効果を使って「脳は疲れる事はない」という事を、自分に教え込みましょう。

いかがでしょうか?何となくイメージは掴めましたか?今はイメージだけで大丈夫です。この3つのルールを知る事で、子どもの集中力は圧倒的に高まります。その結果、勉強も効率的となり、成績は上がっていきます。

実はこの方法は子どもだけではなく、大人にも全く通用するスキルです。ぜひ親のあなたも(たとえ専業主婦であっても)、子どもと一緒にマスターしていきましょう。

一つづつ、やってみよう!

もちろん、この3つのルールの他にも、まだまだ一緒にやるべき事がありますので、それは順を追ってご紹介していきます。
次の回からは、3つのルールを実行レベルにまで説明していきますので、あきらめずに初めの1歩を進めてください。何事もマスターするには、順を追って根気よく続けていく事が大事です。「継続」こそ力なり!です。

【3つのルール】の復習

さいごにまとめです。
【ルール1】で毎日の計画を立てたら、他のことは何も考えずに「決めた通りに勉強を進める(自動化)」ことで脳エネルギーを無駄遣いしない。これを習慣にする。

【ルール2】は、集中するために勉強時間25分、小休憩5分のインターバルを続け、これを習慣とする。

【ルール3】「脳は疲れない事」を自分に覚え込ませよう(プライミング効果)
これを実行すれば、効率的な勉強が習慣化して、集中力が増します。

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