子どものコミュニケーション能力を高める

子どもと言っても、幼児、小学生、中学生、高校生、大学生とさまざまな時代が有るわけです。
コミュニケーション能力が高校生や大学生には必要だろう、と言うのは分かるけれども
幼児~中学生にそんな能力が必要なのかどうか?
学校の授業や受験に今その能力は必要でしょうか。

確かにこれからお話するコミュニケーション能力は
社会人の社内評価や成功にとても重要です。
なので社会人になってから覚えても遅くは無いんではないかと思われる人も多いでしょう。

でもコミュニケーションは幼稚園の中でだって必要な技術です。
その後どんどんと大きく成長する過程で、ますます重要になってきます。
子どもの頃からコミュニケーション能力を高めるのが良いのかどうかを検証してみましょう。

コミュニケーションの3つの役割

コミュニケーションには3つの種類があります。

1つめは「人間関係維持のコミュニケーション」
2つ目が「情報伝達のためのコミュニケーション」
3つ目が「人を説得するコミュニケーション」です。
ひとつひとつ説明します。

1つ目の「人間関係維持のコミュニケーション」とは
普段の家族生活や友達との会話など、親しい間柄での会話が主になります。
普段の挨拶である「おはよう」「ありがとう」や
「あした電話するね~」のような会話がそれに当たります。

これには特に情報が正確であるとかの必要性はありません。
人間関係を良好にするためには「さすがですね~」などと
相手を喜ばせる情報を与えることが良いコミュニケーションと言われます。

2つ目の「情報伝達のためのコミュニケーション」は
ある情報をできるだけ性格に人に伝える技術です。
これを成立させるには「論理的に話をする」ことが重要となってきます。

情報を正確につ与えることが目的ですから感情的になってはいけません。
数学の問題を、みんなの前で黒板に書いて
その解き方をみんなに説明するなどがそうです。
問題の解き方の中に感情は必要ありませんよね。

3つ目の「人を説得するためのコミュニケーション」は
1の人間関係を作るのはもちろん有効ですが
2の情報伝達で必ずしも性格な情報を与える必要があるとは限りません。

ん!?正確な情報が必要ないって?
って思うでしょうが、ここで重要なのは論理性です。

ビジネス会議でのプレゼンテーションなどがこれに当たります。
「このように弊社のサービスは、御社の売上を2倍にできると確信しています」
などと説明して商談を決める場合などに使います。

ここで「我が社のサービスが御社の売上を2倍にする」ことが事実とは限りません。
相手を納得させるためのトーク、つまり正確な情報である必要は必ずしもありません。

このように説得のコミュニケーションでは
1の人間関係を良好に築き上げて納得させる技術。
すなわちここでもやはり論理性が必要となります。

子どもに3の「人を説得する技術」を習得させる事はすぐには必要ありませんが、
大学生から社会人に向けて、必ず必要になってくるコミュニケーション技術です。
その過程として
1の「人を褒めるコミュニケーション技術」と
2の「情報伝達の為の論理的コミュニケーション技術」
は受験を成功させる為にも小学生以降に少しずつトレーニングしていくべき技術です。

論理と感情は切り離す

さて、2の情報伝達のためのコミュニケーション能力を高めるには『論理性』が必要です。
1のように人と仲良くなるためならば感情で話をしても良いのですが
情報伝達となると感情とは両立できません。

例えば

学校の授業で前に出て発表する場合ですとか
試験問題を解くためには『感情』は全く不要です。

分かりやすい例をだすと、

社会人になってから会社の投資先を決定しなければならない場合
「総合的に判断すると我が社はこの企業に投資をすべきではない。」
「しかし、ここの企業の社長さんと我が社は昔からの長い付き合いがあるので断る訳にはいかない。」
「だからこの企業に投資する事を決定します」となり
やはりその企業の業績がおかしくなり倒産してしまい
「我が社は損失をこうむってしまいました」などと
感情を入れて判断すれば論理性が崩れ、判断が間違う訳です。

子どもは将来かならず『意思決定』をする機会が来ます。
その時に感情を入れてしまい、このような間違いを犯さないためにも、
今のうちから「論理と感情は切り離す」練習をすべきなのです。
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論理的な子どもに育てるために

子どもに論理を教える簡単な方法は
家庭での普段の会話を論理的に話すようにする事です。

親としては面倒くさいかもしれませんが
子どもの学習能力を上げるためにも、また将来大人になってからの
人生の成功の為にも頑張る価値は十二分にあります。

どのような会話にするかというと、

子「ねえ、〇〇買ってよ」
親「だめよ。そんな事言ってないで勉強しなさい」
なんていう会話で、親はすぐに「ダメ」と言わない事です。こんな会話で子どもの論理訓練にするには、

親「なんで〇〇が欲しいの?」と、欲しい説明をさせます。
子「だって、みんな持ってるよ!」
この場合、「みんな持ってる」のが本当かどうか確認して説明させます。

親「みんなって本当にみんななの?誰が持ってるの?」
と、子どもが言った「みんな」を証明させます。

なぜなら子どもの「みんな」は感情で大げさに言っている可能性が大だからです。
論理では「みんな」=「全員」という訳ですから
もし全員でなければこの理論の証明は間違っている事になります。

これで子どもも「みんな」の定義が間違っていることに気づく訳です。
証明が間違っていれば、論理は成立しない事を学びます。
感情的に話をすると多かれ少なかれ、このように事実に反する表現をするようになり
「これでは人を説得できない」事を学ばせます。

実際に家庭でこんな会話をしょっちゅうするよう心がける訳ですから
親としても「うるさい!屁理屈ばかり言ってないで勉強しろ!」
と怒鳴りたくなる事もあると思います。

でも子どもがだんだん論理的になってくると間違いなく
国語やさんすう、英語などの成績が上がってきます。

ここは子どもの成績を上げるため
そして子どもに将来成功させるためにも
ご両親は頑張って論理訓練をしていきましょう。

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