文系 vs 理系

小学生、中学生ならまだ先の話でもありますが
高校生ともなると大学進学で文系に行くのか理系に行くのか
を決めなければならない分岐点に立たされます。

どちらの分野に進学するかは子どもが決めるのであって
ここに親の希望が出てくると話はヤヤコシクなってきます。

そもそも子どもに文系と理系の知識が無い場合には
もちろん親が教える必要がありますが
ここで気を付けなければいけない事は
「親の希望を押し付けてはならない」と言うこと。

いつも言いますが

親のあなたが子どもの進路を決めてしまったら
その後の子どもの将来にあまり期待をしてはいけません。
だって、子どもは親に押し付けられた未来に真剣に取り組める訳がないのですから。

大人でも子どもでも、誰かに押し付けられた事は楽しくありません。
イヤイヤやる事になります。

以前お話したように、誰でも「〇〇しなければいけない」事には情熱をもてません。
「〇〇したい」と自分が心から願ったことには真剣に取り組めます。
だから好きな事は成功しやすいのです。好きこそ物の上手なれです。

ですから、もし子どもに文系・理系の知識がなければ、自分で調べさせましょう。
そして自分がどちらに行きたいか進路を自分で決めさせてください。
それが進路と将来社会人になった時に成功する秘訣です。

「いえいえ、うちの子は良い子ですから親が決めた進路を頑張ってますよ」
という方も居られるでしょう。

でもその子は十中八九、
社会に出てから「自分で考えられない
他人の言いなりの大人」になってしまう可能性が非常に高くなります。

前にEQ(心の知能指数)の記事でも紹介しましたが、
米国イリノイ州の秀才高校生20人の20年後の追跡調査で
学年トップレベルの優秀だったエリート学生の大半が幸せとは言い難い人生
例えば離婚だったり、家庭不和だったり、パッとしないただの会社員など
社会で中流以下の生活をしていたという結果が如実に物語っています。

子どもの内から「自分で考える」クセを付けておかないと
たとえ志望校に入学できたとしても
その後の一番大事な「社会」に出た時に苦労することになります。

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文系に理科や数学(さんすう)は不要?

それでは文系と理系の話をします。
文系に進むか理系に進むか、の1つの参考にでもしてみて下さい。

一般的な常識として、

文系は数学(さんすう)や理科系の勉強は必要が無く
逆に理系は国語や社会科の知識はほとんど必要が無い
と認識されています。

たしかに文学部を受けるのに微分積分や物理化学などは関係ありません。
これは日本の受験のシステムが、
文化系の学部の試験科目は国語、英語、社会が主なのに対して
理科系の学部の科目が数学、英語、理科が中心になっているから
これが常識となるのです。

ですから「受験」というミクロ的な視点から言うと
文系に理科や数学は不要になります。

ところがマクロ的な大きな視点で考えてみるとチョット話が違ってきます。

小学校や中学校では、文系と理系とは関係なく学問全般を教えます。
これは将来大学以降の専門職に備えた準備期間にあたります。
国語は国語の時間割だけ、数学(さんすう)はその時間割だけと
それぞれの教科は別々に思われがちですが
実は国語と数学(さんすう)は切り離せない科目同士なのです。

言ってみれば国語を伸ばしたいなら数学を勉強して
数学を伸ばしたいのなら国語を勉強する必要がある。
文系の国語理系の数学が、実は相互依存の関係にあります。
受験科目がたまたま文系と理系に分けているだけなのです。

論理がすべて

それでは、なぜ国語の脳力を伸ばすのに数学が必要なのかを考えてみましょう。

国語の試験問題を見てみると
「この傍線の意味に一番近いものを選びなさい」
的なものや作文形式のものが主流です。

よく「国語の感性が無いから国語は苦手」なんていう意見を聞きますが
国語の問題を解くには感性が必要なのでしょうか?

まず上の「~を選びなさい」的な設問はすべて論理的に解答が決まっています。
試験問題で感性では先生も点数を付けられませんよね。
感性が必要なのは芸術学部ぐらいでしょう。

作文問題も起承転結の論理的に文章を作って行かなければ、
支離滅裂(しりめつれつ)になってしまい合格点はもらえません。
つまり国語は論理で解答するものです。

数学(さんすう)を考えてみましょう。
小学校では「さんすう」、中学校以上で「数学」となりますが
実は「さんすう」と「数学」は同じものではありません。

「さんすう」が難しくなったものが「数学」と
一般的に思われていますがちょっと違います。

どう違うのでしょうか?

「さんすう」は足し算とか引き算、掛け算の九九など
具体的な計算技術を習うものです。
あくまで中学校以上で習う「数学」で使う計算の実践を
練習する具体的な教科で、数学とは言いません。

それでは「数学」とは何かというと論理的な抽象概念です。
微分積分だとか三角関数だとかから
現実世界を想像できる人はほとんど居ないのではないでしょうか。

むかし私たちが習った数学の授業を思い出してください。
AはBである。BはCである。だから・・・的な
すべて抽象的な論理で答えを出していきましたね。
これ自体を一般生活に使っている人は居ないでしょう。

では、なぜ文部科学省はそんな生活に使えない「数学」
を一般教養科目にしたのでしょうか。

それは「論理」を訓練するための科目だからです。

子ども時代が終わり社会人になると、当然のことながら仕事をします。
ほとんどの仕事は「言葉と数字」で構成されています。
契約書や計算書、請求書、領収書、統計、
長さ、重さ、体積、と言葉と数字が不要なものは思いつきません。

つまり「数学」は社会に出てからの論理的な実務のために
「さんすう」は具体的な計算手段を
そして「国語」はそれらの仕事に使われる「言葉」を間違いなく認識するために
そして自分の考えを間違いなく「言葉と数字」で伝える手段として必要なものだったのです。

話はちょっと広がり過ぎましたが

要するに「さんすう」は「数学」を学ぶための具体的な計算手段を学び
「数学」で論理的思考法を学んで、その論理的思考をもとに
「国語」である言葉を使って仕事をしていく訓練をしていたのです。

だから文系だからと言って数学をおろそかに出来ない。
また理系だからと言っても国語の言語脳力は必要不可欠なのです。

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理科好き、国語好きな子どもにするのは簡単だ

じゃあ、文系の子に数学(さんすう)や理科を好きさせるにはどうすれば良いの?
理系のうちの子に国語や社会を好きにさせられるの?
という問題に突き当たりますよね。
当然です。今まで嫌いな訳ですから。

でもこれは、結構かんたんに出来ます。
もちろん親のあなたが、好きになるように誘導する努力は必要ですが。

まず国語が苦手なら本を読ませる事です。
苦手意識というのは、壁にブチ当たった時に
それを乗り越える前にあきらめてしまうから「苦手」になってしまうのです。
1日1時間でも良いから本を読ませる事です。

どんな本でも、マンガでも構いません。
マンガ日本史や世界史もありますよね。
出来ればドラゴンボールZよりは、受験を控えているので
日本史・世界史の方が理想的です。

前にも言いましたが
親が読書をしなければ子どもが読書好きに成るわけはありません。
読書の時間などを作って、家族で読書をする習慣を作ってくださいね。

理科を好きにさせるには、外で遊んだり、生き物を飼って世話をさせたり、
植物を育てて観察するなどの機会をあたえてください。
もちろん家族そろってです。

また昆虫図鑑などを見て家の周りを飛んでいる虫を調べるなどし始めると
案外簡単に理科に興味を持ってきます。

さんすうや数学は、どちらかと言うと抽象的ですから
例えば理科と組み合わせて
「太陽や星座の角度を調べて、その影から計算で距離を算出してみる」
などと少し具体的にすると興味を示しやすいです。

また計算ドリルなどは、簡単すぎても子どもは飽きてしまいがちだし、
難しすぎれば断念してしまいますから、ここは親のあなたが様子を見ながら
「今の学力よりほんのチョッピリ上」程度の問題集を選んで上げてください。
問題が解けだすと子どもは案外ゲーム感覚で面白がってやります。
絶対コレ!という方法はありませんから、やはり親はその点努力をしてください。
かならず解決点は見つかりますから。これは親の宿題ですね(笑)

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