好きなものしか食べない子ども達

子どもの学力には毎日の食事が深く関係している事実を知らない親が多くなっています。
好きなものしか食べさせないから、食べられない物が出てくる、
いわゆる『偏食』が始まります。

偏食があれば栄養が偏るので、体に悪影響を及ぼすどころか、
心にまで影響を及ぼしてしまうことを気にしない親が多すぎる気がします。

ところが今や学校でも、給食を無理に食べさせない方針が主流になっている現在
「それで良いのでは?」とい声が多いのも事実です。
実際はどうなんでしょうか?

『好きなものしか食べない』

こんな話があります。

ある学校の寮にS君が入ってきました。
初日の夕食時、S君は食べ物をハシでほじくっているだけで何も口にしないので、
寮長さんが「どうしたの?」と聞いたところ、S君は野菜が食べられないと言うのです。

そこで寮長さんが
「野菜に含まれているビタミンと食物繊維は体を元気にする最高のものなんだよ」
と効用を説明をして「少しずつで良いから食べてみよう」と勧めました。

それから数ヶ月後、S君は少しずつ野菜も食べられるようになり
、S君の顔色も赤みを帯びて良くなって来ました。
そんなある日、夕食のトンカツに添えてあるキャベツをおかわりしているS君に気づき
「S君、そんなに無理して食べなくても良いんだよ」と話しかけたところ
S君は「いいえ寮長さん、カツをキャベツと一緒に食べるとすごく美味しいんです
」と笑顔で答えるではないですか。

子どもの味覚はとても優れています。
初めは苦手でも、毎日食べているうちにだんだんと
その食材の本来の美味しさが解るようになってきます。

寮長さんは「S君、きみの好き嫌いがこんなに早く直るとは思ってもみなかったよ。
S君ががんばったので、食材の美味しさがわかるようになったんだね。ありがとう」と言い
すぐにご両親にその報告をしたそうです。
でも話はここから驚くような展開が始まります。

『まさか・・・耳を疑う言葉が』

翌日S君のお父さんが高級外車に乗って寮を訪問しました。
寮長さんはお礼でも言われるのかと思ったのですが
飛び込んできたお父さんの言葉は・・・

お父さん:「寮長さん、息子には好きなものだけを食べさせて欲しいのです」
寮長さん:「えっ!?」
お父さん:「妻が寮で、息子の嫌いな物を無理やり食べさせられていると激怒しているんです。」

寮長さんはこのお父さんに、食育の重要性、栄養素と学力・体力の関係性などをお話して、
やっと理解してもらって帰っていったそうです。

じつはこのような話は珍しい例では無いと、その寮長さんは話しています。
この話を聞いて「うそっ、マジかよ」と驚く人も、
「えっ?そりゃそうでしょ。食べたいものを食べさすのは普通でしょ」
と思う人もいるかもしれません。

このブログを読むあなたは前者でしょうが、最近ではこういった親御さんが
かなり多くなっているそうです。

『栄養素で学力が変わる』

基本に帰って考えてみると、食事とは身体を構成するものです。
身体の内には当然「脳」も入っている訳ですから、
食事が学力に関係してくる事は理論的にも分かります。
だから食事はとても重要な「イベント」となる訳ですが、
だからと言って何でも食べれば学力が上がる訳でもない事も理解してください。

骨を構成するためのカルシウムだとか、
便秘などの腸内環境を整えるものが酵素だとか野菜です。

脳の機能を高めるには脳のエネルギー源となる
ブドウ糖を摂取する必要があるのです。
スナック菓子やコンビニ弁当などでは、
脳に必要なブドウ糖を十分に与えることは出来ません。

これからじっくりと、学力を上げるための「食育」を考えていきましょう。